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| 「甘露の雨」 |
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| 4月8日 横浜FC 2-0 柏レイソル |
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横浜FCが5年ぶりの3連勝を飾った先週の水戸戦は大きな驚きをもって報じられた。春の珍事だ。開幕戦で敗れて監督交代してから負け無し。監督が変わればこうも変わるのか。ただしそれはあくまで結果論。横浜FCのサポーターの多くは、その交代のタイミングに文句を言っているのだ。勝利すれば何でも良い訳ではない。
それはいつかまた語るとして、春の珍事の横浜FCは水曜の試合は休みで、柏と激突。今年開幕戦を引き分けたが、その後は連勝街道をひた走り現在首位を堅持している。
それにしても、この日は何ともいえない天気だった。朝から空は暗く、雨が降ったり止んだり。途中からは降る時間の方が長くなり、昼前には肌に突き刺さる様になった。ただその雨もキックオフ前には上がり、すっかり観戦日和に。この時私は少しニヤリとしてしまった。
仏教に詳しい方ならご存知だと思うが、この今日4/8は「灌仏会」。この「かんぶつえ」を簡単に言うと、「花まつり」。釈迦が誕生したこの日、八王竜王が歓喜し「甘露の雨」を降らせたという言い伝えに由来するまつり。釈迦の像に甘茶を注ぐというありがたい儀式。「甘露の雨」とは恵みの雨、慈雨だ。
釈迦の生まれた日に、雨が降るとは縁起が良いと思いたくなる。
試合は開始早々から柏が押し込んで、GK正面やポストをわずかにそれるシュートを立て続けに放ち、横浜ゴールを脅かす。
嫌な予感がするのだが、この日もアウグストがキレキレ。中央でボールを持ち込んで前線のカズにスルーパス。カズはこれを簡単に押し込むだけでよかった。横浜先制!前半5分1-0
ここから横浜の時間帯になる。両サイドをしっかりコントロールし、縦を切って、ディレイを心がけるかの様な動き。特に谷澤のコースを切って、内側に追い込んで山口、早川らで掠め取っていく戦いは堅陣そのものだ。
高木監督が就任して最初に手をつけたのは守備の仕方だった。高木監督は私に「修正するところの前に、気持ち」と語ったが、練習では守備の修正に多くの時間を割いているのを知っている。内容も簡単に言えば「リトリート」。
カウンターの為のリトリートという感じはしない。攻守の切り替えは早いけど、それが即「ロングボール一辺倒」ではない。不用意に飛び込まず、スペースとパスコースを消し、ボールを奪ってからは一気に押し上げながらも、パスを繋いでサイドに展開。そういった戦いが中心なんだと思う。本当にカウンターがしたいなら、アウグストをFWで起用すればいいのだし、そういう事を殆ど想定していないのだから、今後は戦術ややり方に慣れた後、どう微調整するのかではないかと思う。
勝負して「誰が」奪いにいくのか、今は「内側に囲んで」だがこれがナカジや智吉が積極的に奪いに行く様になれば、高木監督の「やりたい」サッカーが見えてくると思っている。
攻撃が手詰まりになると、柏は守備がおろそかになる。カウンターから、左サイドをアウグストが谷澤との1対1を交わし、中央にクロス、このボールをDFに競り勝った城がヘッドでゴールに叩き込み横浜が前半15分で2-0とリード。
2得点しても気持ちが切れないのが"今の"横浜。中央で存在感ある柏・ディエゴを低い位置に遠ざけ、前線との連携を遮断し北嶋-ディエゴという怖いホットラインを分断。実際この試合で柏・北嶋のシュートの印象すらない。彼にボールが良い形で回った事はないはず。内田がディエゴの縦のラインを切っていたのが目に付いた。
後半柏が動く。鈴木将太OUT李忠成IN。孤立している北嶋のサポートの為に李をいれて、前線のフォローに。
ただ結果的にこの狙いは機能しなかった。
後半は、中島が退場するまでは両者ミスが増え、前線の狭いスペースで戦いを続けるだけの勝負に終始。直接の原因はわからないが、敢えていうなら柏は中2日の厳しいコンディション、横浜は2点差の緩みか。それと多くの選手が熱くなった時に長袖になっていたダメージが効いたのか。
中島が退場し、4-4-1にした横浜はリトリートしている守備に加えカウンターで逃げ切る狙いに戦術変更。ボールを奪うと、前線に残した城またはアウグストに一気にロングボールを放り込む方法に変更。柏・ディエゴのゴールポスト直撃のFKはあったものの、試合終了の笛は、横浜の完封勝利を知らせた。2-0
内容はディエゴ・北嶋を中心に、両サイドをも押さえ込んだ横浜に凱歌は上がったものの、次の対戦ではフランサや中谷、平山らが戻ってきた柏だったら結果はまた変わるだろう。得点差程の差はなく、柏にディエゴ依存症がなくなった時が真価ではないかと思う。まだ苦し紛れでディエゴ頼みを感じるパスは多いからだ。それがリズムを崩している。
横浜はどうだろうか。アウグストが機能してきた。2アシストはその証拠だろう。ただ、主審との関係もあるだろうが、柏のディフェンスに後半は苦しんだ。更なる進化を見たいところだ。
釈迦が生まれるこの日に行われる「花まつり」。横浜FCが誇る元日本代表FWコンビの"華"まつりはこの日に用意されていた当然の儀式だった。今日は太陽王の生まれた日ではなく、釈迦の生誕日だった。 |
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