「不運も実力のうちなのか」
1月3日 法政大学トマホークス 17-47 オービックシーガルズ
  ミルズ杯(学年年間最優秀選手賞)を獲得した法政大学トマホークス(以下、法政)のRB#29丸田が何度も地べたに這いつくばらされてしまう。この日彼が獲得したのはたったの11YD。彼が大きくブレーキを踏んだ事で、法政の攻撃は完全に押さえ込まれてしまった。法政がランで獲得した1stダウンは"0"。何もさせてもらえなかった。

 試合前の評判もオービックシーガルズ(以下、シーガルズ)の圧勝を予想する声は多かった。ハイパーオフェンスと言われたオンワード・スカイラークスの強力オフェンスを完封し、Xリーグ最強と言われたディフェンス陣を持つ松下電工を逆転の末に葬り去り、春のトーナメントも優勝、秋の社会人も優勝。死角と呼べる死角がない。

 試合は序盤からシーガルズペース。キックオフから1度も止まる事なく、TDを挙げる。これで試合の流れが決まった。1つのTDだったが、その7点という点差以上にシーガルズが1度も奪われなくエンドゾーンに進む姿で、何か大きな壁がある事を痛感した。

 学生相手には通用した丸田のランが一向に決まらない。ただ、これは当然といえば当然で、シーガルズはランに対して守備が堅い。これは社会人リーグ・Xリーグの結果からも証明されていることで、法政は丸田の頑張りに希望を託していたのでは勝負にならない。

 一時20-0とリードし、シーガルズが日本一に向かって驀進していたペースを落とす。K#10吉坂のパントミスや、なぜかレシーバーの位置にいた丸田を見逃してフリーでTDを許してしまった事等。一度はRB#36白木のTDで28-3とするもこのTDで28-10。自分達のミスから流れを悪くしている。

 後半に入ってもそれは変わらなかった。早々にTDを許し28-17。まだ11点も差があるのに、試合の光景はそうではなかった。丸田のランが通じないならと、QB#4菅原はパスを多く選択。ラインで有利になり前に重心が乗ったシーガルズディフェンスに次々に穴を開けていく。

 ただ法政逆転の夢は突然にして終焉を迎えた。シーガルズ陣内残り10YD付近のプレーで、法政・菅原がシーガルズの強力ラインにつかまりボールを投げ捨てたが、シーガルズLB#5中井がほぼ頭上に上がったボールをインターセプト。これで攻守逆転。脇役の出番はたった10分で終わってしまった。

 シーガルズはQB#15龍村が前半程パッシングが上手くいかないと見るや、すぐに作戦変更。優位に立つライン戦からランを多く選択。これで流れを引き戻そうとする。インターセプトの直後のシーガルズオフェンス。RB#20古谷が独走。大きくゲインし、これでシーガルズの復調を告げる。

 ここからは古谷のダッシュのオンパレード。法政がわかっていても止められない、強烈な切り返しと鋭い飛び込み。次々に法政に杭を打ち込む。XリーグのEAST Divの今年のリーディングラッシャーの貫禄。第4Qには49YDの独走TDも含み2TD。47-17。

 終わってみればシーガルズの圧勝劇。一時はミスから法政に流れを引き戻されかけたが、守備のチームの面目躍如、第3Qのインターセプトで流れを断ち切り、終盤の大差の勝利に結びついた。MVPはライスボウル記録となる246YDを駆け抜け、5TDを挙げた古谷が獲得。法政のミルズ杯者・丸田と同じポジションなだけに、まだまだ上がいることを社会人として身をもって示した形だ。

 ただ法政も悪いところは少ない。丸田は足が速くTDを挙げた時もシーガルズの俊足LB#2古庄でも差が詰まらなかった。足の速いRBがいてパスは菅原は敗れたとはいえ、203YDを獲得。成功率もシーガルズに引けはとらない。立命館を倒してライスボウルに来た割には、下馬評はもの凄く低かった。そこまで悪いチームには見えなかったが。

 ただ、法政の敗因では、攻守ともに最強だったシーガルズと対戦してしまうという"不運"ではなかったのだろうか。